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南房総ミライデザイン / 田中真由さん

千葉・南房総

移住定住促進, 里山里海保全

館山市の市街地から15分ほど車で走ったところに神戸という地区があります。冬の時期は館山特産である神戸レタスの栽培に使う防蛾灯と呼ばれる明りが幻想的に夜を照らします。また夏になると川辺に蛍が飛び交う水や空気の澄んだ場所です。こんな田舎に3年前に都会から夫婦で引っ越し、現在1歳になるお子さんを育てながら、なんともユニークなイベントを企画しているのが田中真由さん。今回は田中さんに移住話や企画中の事業についてお聞きしたいと思います。

広告業界から一転して田舎へ

━━田中さんは館山に移住される前はどんなことをされていたのですか?

20代の頃にウェブマガジンを運営する会社の編集アシスタントを始めたことをきっかけに編集や企画プランニングなどの職務を経て、30代に入ってからは広告代理店でWEBプロデューサーとして働いていました。

━━だいぶ忙しい生活だったのでは?

そうですね、明け方まで働いて朝一で築地に行ってご飯を食べて帰って寝て、また午前中に出勤する、みたいな時期も数年間ありました。総じて仕事量も多い業界でしたが、おもしろい仕事がたくさんあって、経験を重ねるたびに出来ることの幅が広がっていくのが楽しかったです。

田中真由さん

田中真由さん

━━そんな中、なぜ移住しようと思ったのですか?

きっかけは夫から移住を提案されたことでした。私の選択肢にはなかったので少し驚きましたが、これをきっかけに毎朝通勤の途中に人生をシミュレーションするようになったんです。このままいくと子どもを産んで都心近郊にマンションでも買って仕事をしつつ子育てをして…、収入も上がっていくでしょうし、安定は間違いない…。でもこれって本当に面白いのかな?そんなことを思うようになったんです。

━━でも田舎暮らしなら老後でもよかったのでは?

そう、その選択肢もあったのですが、「面白さ」を中心にすると、老後と今とでは冒険心が異なりますし、何より「暮らす」ことにかかってくる切迫感というか、意味合いが変わるように思ったんです。私は、どうせ移住するなら土地に根差して生活したかった。それで夫と移住先を探し始めたら新しい人生のイメージも掴めて心の整理がつきました。

━━館山に移住してみていかがですか?

やはり海や里山、静かな環境は最高です。都心とも思ったより近いですし。越してすぐは知り合いがいなかったので、キーパーソンを探すことにしました。するとNPO法人おせっ会という団体に出会ったんです。全国的にも有名な移住促進団体で、地域思いの様々な業種の人々が集まって活発に活動しています。この人達と知り合えたことで一気にご縁が広がって、すごしやすくなりましたね。

家近くの平砂浦海岸は散歩道

家近くの平砂浦海岸は散歩道

  そんな田中さん、移住して約1年後このおせっ会に入会して、現在は理事も務めています。実は田中さんが企画しているユニークなイベントとは、このおせっ会内で立ち上げられた新事業なのです。それではこの企画についてお伺いしましょう。

南房総ミライデザイン

理事会にて新事業を提案

理事会にて新事業を提案

NPO法人おせっ会の新事業として、複数のメディアに取り上げられ、少しずつ注目を集め始めているのが「南房総ミライデザイン」です。南房総ミライデザインは、館山・南房総をフィールドにココロとカラダが満足する“オトナのソトあそび”企画を運営していくプロジェクトで、以下のコンセプトをもとに年に数回イベントを開催しています。

私たちの手で、南房総のミライをデザインしよう。
・南房総で生きていくことを積極的に楽しむこと。
・豊かな自然の恩恵にあずかり、将来も変わらない環境を維持すること。
・いろいろな人と関わって暮らしていくこと。
・スキルとアイディアで、小さな経済を生み出す流れをつくること。
そして、田舎暮らしをクリエイティブなものにしていくこと。

田中さんが移住して思うことは、田舎暮らしは奥が深いということ。「自然の中で生きるって素敵なことですが、楽しみ方を知っていると知らないとでは大きな違いがあると思います。そこで、移住後の人も移住を考えている人も、もちろん地元の人も、みんなで田舎暮らしを楽しめる活動をしたかったのが南房総ミライデザインを始めたきっかけですね。そんな『楽しみ』を第一にした人が集って、いずれは田舎ならではの働き方を実践したり、仕事を生み出すことができればいいなと思っています。」

  こうして2014年から本格的に始まった南房総ミライデザインのイベントですが、第1弾・第2弾と立て続けにテーマとなったのが「秘密基地ワークショップ」…。なんともウキウキするネーミングのワークショップですが、過去の開催内容をもとに少しご紹介しましょう。

秘密基地ワークショップ

場所は神戸地区の裏山で、朝9時に集まった参加者は、ニックネームを決めて互いに自己紹介を行ってから裏山を探索します。人の手が入ってない裏山を探索するのは容易ではありませんが、木々や花々さらに足元の地面にふと目をとめると、生命の息吹きや新しい発見に満ち溢れています。

参加者は班に分かれて、互いに秘密基地を作る段取りを話し合います。材料はこの裏山にある自然物のみですので、意外にアイディアが求められるところ。話し合いが終わると、まずは竹を切るところからスタート。竹の切り方、切った竹を使うための工夫、またロープの結び方まで、アウトドア好きにはたまらない技がその道のプロである講師から伝授され、その度に歓声があがります。アウトドアのプロが講師となり技術が取得できることも“オトナのソトあそび”の魅力の一つです。

  そんな和気あいあいとしたワークショップですが、ここから先の話は参加してからのお楽しみ。第3回秘密基地ワークショップは5月に開催とのことですので是非チェックしてみてください。

Photo by Mikitty

(文:東 洋平)